仮想通貨の販売所と取引所の違いはなに?どっちがいいの?FPが解説

仮想通貨を始めると一番最初に戸惑う「販売所」と「取引所」。

取り扱っている通貨がほとんど変わらないことから、「どっちを使っていいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

しかしそれぞれに大きなメリットやデメリットがあります。


そこでこの記事では仮想通貨の取引を3年以上行い、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ筆者が販売所と取引所の違いや、それぞれのメリット・デメリットなどについて解説します。

最後にはどちらを選ぶべきかも解説するのでぜひ最後までご覧ください!

販売所と取引所(板取引)のざっくりとした違い

比較のイメージ画像

まずは販売所と取引所の違いをざっくりと解説します。


販売所と取引所の一番の違いは取引の相手です。

それぞれ取引の相手は以下のようになっています。

  • 販売所:取引所の運営と取引する
  • 取引所:ユーザー同士で取引する

まずはこの2つを軽く頭に入れておいてください。

このあと販売所と取引所をそれぞれ分けて解説していきます。


と、その前にこの記事の中での取引所という言葉の定義を明確にしておきます。

仮想通貨界隈の「取引所」という言葉には「仮想通貨を取引する場(サービス)を提供している取引所」と「ユーザー同士で取引する機能を表す取引所」の2つの意味があり、少しややこしいです。

そのため、以降は「仮想通貨を取引する場」を取引所とし、「ユーザー同士で取引する機能」を専門用語から取引所(板取引)と表現します。

仮想通貨の販売所とは?

販売所のイメージ画像

まずは仮想通貨の販売所から解説します。


仮想通貨の販売所は取引所とユーザーが1対1で取引するサービスです。

例えばビットコインを購入する場合、取引所が保有するビットコインを購入します。


また、販売所という名前がややこしいですが、販売所では自分が持っている仮想通貨を売却することもできます。

売却する場合は取引所が提示する価格で売却します。


販売所のメリット

販売所のメリットとしては画面がシンプルなことです。


「仮想通貨を取引する」と聞くとグラフや用語などがとても難しそうに聞こえるでしょう。

しかし、販売所はどのサービスでも画面がシンプルになっています。

操作のイメージ的には通販サイトで買い物をするような感じか、それよりも簡単です。


そのため、初心者でも使いやすいという点が一番のメリットです。


販売所のデメリット

一方でデメリットとしては手数料とは別に「スプレッド」がかかるという点です。


一般的に、販売所の手数料はどのサービスでも無料になっています。

取引所(板取引)は手数料がかかることがありますが、販売所は無料なことが多いため、「手数料が無料の販売所の方がお得じゃん」となりがちです。

しかし、販売所の価格には実質的な手数料である「スプレッド」がかかっています


スプレッドは通販サイトで言うと送料が販売価格に転嫁されている送料無料の商品のようなイメージです。

例えばビットコインの相場価格が1,000万円だったとします。

その場合、販売所での販売価格は少し上乗せした1,003万円、売却価格は少し低めの997万円のような感じになります。

つまり、手数料はかからないものの、販売価格は上乗せされ、売却価格は低めの価格が提示されているというわけです。

このように、販売所は手数料がかからないものの、実質的な手数料がかかっているため注意が必要です。

ちなみにスプレッドは3%前後が多い印象です。


販売所のイメージとしてはリサイクルショップがわかりやすいかと思います。

買い取るときは販売価格より少し安めに買い取り、販売時には買い取った価格より少し高めに売るような感じです。

仮想通貨の取引所(板取引)とは?

取引所(板取引)のイメージ画像

次に仮想通貨の取引所(板取引)について解説します。


取引所(板取引)はユーザー同士で取引するシステムです。


取引所(板取引)では「板」と呼ばれる掲示板のような場所に注文を出します。

板には現在価格を中心に売りたい人が高めの値段で、買いたい人が低めの値段で注文を出しています。

この板を見ながら安くで買ったり、高くで売ったりします。

自分が買いたい価格または売りたい価格で出ている注文を成立させることで、ユーザー同士で取引が行われるというイメージです。


取引所(板取引)のメリット

取引所(板取引)のメリットは手数料が安いという点です。


販売所では先ほども書いたように3%程度のスプレッド(実質的な手数料)がかかります。

一方で取引所(板取引)では無料~0.1%程度が多く、中には特定の取引をすることによって手数料が返ってくる「マイナス手数料」を導入しているサービスもあります。

売買の価格は販売所のように上乗せなどはされておらず、ほぼリアルタイムの相場の価格で売買ができます。

そのため、とにかく手数料を節約したい方には取引所(板取引)がおすすめです。


また、チャートやインジケーターなどを見れるのも取引所(板取引)のメリットです。

チャートは価格の推移のグラフで、インジケーターはチャートを見やすくするツールのようなものです。

販売所では非常にシンプルなグラフと現在価格くらいしか表示されません。


しかし、取引所(板取引)ではチャートや分析機能など、高性能な取引ツールが用意されています。

イメージとしてはトレード解説動画などで見るような以下のような画面で取引ができます。

チャートのイメージ画像

このように、チャートやインジケーターなどのツールを使って取引が行えるのも取引所(板取引)のメリットです。


取引所(板取引)のデメリット

一方で取引所(板取引)のデメリットは少し画面が複雑な点です。

取引所(板取引)ではプロ仕様となっていることが多く、難しそうなグラフや数字、用語が多くあります。

しかし、1時間程度、各機能の説明を読んでいればわかってきます。

そのため、操作自体はそこまで難しくはありません。


イメージで言うと取引所(板取引)はフリマアプリのような感じです。

ある商品を、ある価格で販売したい人と、その商品をその価格で購入したい人が購入するという意味ではフリマアプリに近いかもしれません。

販売所と取引所(板取引)、どちらを選ぶべきか

仮想通貨 取引所、販売所何が違うの?

では、販売所と取引所(板取引)はどちらを選べばいいのでしょうか。


筆者的には以下のような選び方をすれば良いと考えます。

  • 販売所:とにかく仮想通貨を売買したい人
  • 取引所:本格的に仮想通貨を売買したい人

販売所がおすすめな人・おすすめでない人

販売所は先ほども書いたようにシンプルなものの、スプレッド(実質的な手数料)がかかる売買の方式でした。

そのため、趣味程度に仮想通貨を取引したり、難しいことが嫌いな方は販売所がおすすめです。


スプレッドが3%程度かかりますが、長期保有であれば高めの手数料がかかっても利益が出る可能性もあります。

長期保有することで価格が上がるという前提ですが、スプレッド分上昇すると仮定するのであれば販売所でも問題ないでしょう。


一方で販売所が向かない人は短期間で売買したい人や本格的に取引したい人です。

販売所では取引所(板取引)と比較すると手数料(スプレッド)が高額なため、短期で売買すると手数料負け(損)する可能性もあります。

長期保有する予定の人でも少しでも安く買いたいのであれば取引所(板取引)の方が良いです。

そのため、短期間で売買したり、長期保有でも安く買いたい方は販売所は向きません。


また、本格的に取引したい人にも販売所は向きません

「仮想通貨トレーダー」と呼ばれるような人は全員と言っていいほど取引所(板取引)で取引しています。


というのも取引所(板取引)には価格以外に、チャート(価格のグラフ)や分析ツールなどが表示されます。

このような情報を元に取引を行えるのが取引所(板取引)です。

そのため、本格的に取引したい方には販売所は向きません。

取引所(板取引)がおすすめな人・おすすめでない人

取引所(板取引)がおすすめな人は安い手数料で取引したい人や、高性能なツールを使いたい人です。


取引所(板取引)は先ほども書いたように販売所より有利な価格で取引ができます。

手数料も無料~0.1%程度が多いため、3%程度のスプレッドがかかる販売所よりも圧倒的にお得です。

そのため、手数料を節約したい人や、短期売買を行いたい人は取引所(板取引)一択と言えるでしょう。


また、高性能なツールを使いたい人も取引所(板取引)の利用がおすすめです。

先ほども書いたように価格の推移を表すチャートや分析ツールが用意されています。

そのため、分析ツールを使って本格的に取引がしたい方にも取引所(板取引)がおすすめです。


一方で取引所(板取引)が向かない人はとにかくシンプルに取引したい人です。

取引所(板取引)は販売所と比べると操作が難しいです。

また、操作方法はもちろん、用語やツールの使い方など、覚えないといけないことも多くあります。

そのためシンプルに取引をしたければ販売所の方が良いと言えるでしょう。


ただし、取引をするときには自分の大切なお金を使うわけですから、販売所を使う場合でも慎重になる必要はあります。

販売所だからといって適当でいいわけでは無いので注意が必要です。

販売所と取引所(板取引)に関する1問1答

販売所とはなんですか?

ユーザー(あなた)と取引所が取引を行う方法です。
操作はシンプルですが、スプレッド(実質的な手数料)がかかります。

取引所(板取引)とはなんですか?

ユーザー同士で取引を行う方法です。
「板」と呼ばれる画面に注文が並び、ユーザーは相場と同じくらいの価格で売買ができます。
また、手数料も販売所と比べると安いことが多いですが、操作は販売所と比べると複雑です。

販売所と取引所はどちらがおすすめですか?

販売所は手数料を気にせず、シンプルに取引したい方におすすめです。
取引所は手数料を節約しつつ、本格的に取引したい方におすすめです。

まとめ

今回は仮想通貨(暗号資産)の販売所と取引所の違いについて解説しました。

販売所と取引所にはどちらにもメリット・デメリットがあります。

今回紹介したような内容を参考に利用してみてはいかがでしょうか。

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