仮想通貨が人気となることにより、多くの人が仮想通貨を利用し始めています。
その一方で新たな人が増えればリテラシーが低い人を狙った詐欺などが増加する傾向にあります。
また、中にはこれまで仮想通貨取引をしたことが無い人が騙される詐欺もあります。
今回から「仮想通貨リテラシー強化シリーズ」と題し、読者の方の仮想通貨リテラシーを向上していく記事を公開していきます。
これから仮想通貨を始める人はもちろん、既に始めている人も改めて確認していただければと思います。
なお、タイトルにもあるように「最低限」気をつけるべきことを解説しています。
何においてもそうですが、完璧に詐欺に巻き込まれないようにすることは不可能です。
特に仮想通貨の詐欺は新たな手口が続々と増加しており、日に日に巧妙化しています。
日々ニュースなどで報じられる詐欺など、最新の詐欺にも目を向けるようにしましょう。
仮想通貨の世界は(体感)9割が詐欺
まず大前提として仮想通貨の世界に信頼できる情報はないと思った方がいいです。
筆者の体感的には仮想通貨の世界は9割が詐欺です。
例えば仮想通貨は毎日のように新たな通貨が誕生しているのですが、その多くが制作者が儲けるために作られたものです。
自分が作った通貨を多くの人に買わせ、ある程度購入された段階で制作者が保有している通貨を売り抜ける「ラグプル」と呼ばれる詐欺が後を絶ちません。
また、後述しますが、世界最大級の専門メディアが誤情報(デマ)を流したり、政府機関のSNSが乗っ取られて誤情報が流されることもあります。
デマは詐欺とは少しことなりますが、多くの人を混乱させるものです。
このように、すべての情報を真に受けるのではなく、仮想通貨の世界は9割が詐欺だと認識しておいた方が心構えとしては良いと思います。
仮想通貨の詐欺に合わないために最低限知っておきたい5つのこと
今回取り上げる詐欺に合わないための5つのポイントこちらです。
- 勧誘に気をつけろ
- 誤情報に気をつけろ
- 無名取引所に気をつけろ
- 海外の情報に気をつけろ
- 不自然な日本語に気をつけろ
1. 勧誘に気をつけろ
1つ目は勧誘です。
勧誘は昔ながらの方法ですが、意外と引っかかる人が多い詐欺の手法です。
具体的にはネットワークビジネス(マルチ商法)を利用し、詐欺に巻き込まれるケースが多くあります。
勧誘は友人など、非常に身近な人物から行われることから、知らず知らずのうちに加担しているケースもあります。
また、最近ではSNSによって勧誘されるケースも増加しています。
X(旧Twitter)のリプライ(返信)欄にて「〇〇さんの情報で■万円勝てました」といった投稿を行い、フォローすることでその人物からDM(ダイレクトメッセージ)が届きます。
やりとりを繰り返すうちに有料の投資商材を購入させられるという自体も起きています。
特に仮想通貨に関しては難しい用語や横文字が多い分、基本的な解説をされただけでも優秀な人だと勘違いしてしまい、信頼してしまうことが多いです。
そしてその結果、詐欺に巻き込まれるケースもあります。
そもそも投資は自分の意思で行うものであり、他人から言われるがままに行うものではありません。
友達であっても勧誘を受けた際には勧められる通りにするのではなく、自分でしっかりと調べたうえで自力で行うようにするのが大切です。
2.誤情報に気をつけろ
2つ目は誤情報です。
直近で大きな話題となった誤情報の事件は世界最大級の仮想通貨専門メディアが報じた「BTC現物ETF承認誤報事件」です。(事件の名称は筆者によるもの)
BTC現物ETFはビットコインを始めとした仮想通貨の価格に大きな影響を与えるものとして、多くの投資家が注目していた出来事でした。
BTC現物ETFは米国のSEC(証券取引委員会)というアメリカの政府機関が承認することが注目されていたのですが、先述したメディアが「SECが承認した」旨の投稿をXにて行いました。
これを受けてビットコインの価格は急激に上昇しましたが、その後誤報であったことが判明し、急落するという動きを見せました。
どのメディアでもそうですが、このように仮想通貨業界でも世界最大級の専門メディアが誤報を流すことがあります。
この問題は他社の問題だけでなく、この記事を発信している当メディア、CryptoBrightでもそうです。
CryptoBrightでも日々ニュースを発信しており、発信するニュースに関しては複数の情報源を元に記事の作成を行うなど、ファクトチェックを徹底しております。
しかし、責任逃れをしたいわけではありませんが、あえて言っておくと誤情報を発信する可能性はゼロではありません。
どのメディアに対しても本当に正しい情報なのか、自分の手で確認することを意識しましょう。
しかし正しい情報なのかを調べるのも困難なことがあります。
BTC現物ETFの承認に関する誤報はメディアだけではありませんでした。
なんと米国のSEC(証券取引委員会)の公式Xが乗っ取られ、BTC現物ETFを承認した旨の投稿がされたこともあります。
つまり、国の政府機関による公式SNSが発信する情報にも疑いの眼差しを向けなければならないというわけです。
それほど仮想通貨は非常にシビアな界隈です。
仮想通貨に関してはお金が関わっているため、情報に関しては非常に注意する必要があります。
3. 無名取引所に気をつけろ
3つ目は無名取引所です。
後ほどチャットによる勧誘についても取り上げますが、最近ではLINEを中心にチャットによる勧誘が非常に多く行われています。
その中で仮想通貨取引所を紹介され、これを利用したところ詐欺に合ってしまうというケースです。
具体的にはLINEなどで仮想通貨取引所を紹介されます。
そこにお金を入金したところ、みるみるうちにお金が数倍~数十倍まで増えていきます。
ある程度増えた段階で出金しようとしたところ、エラーとなり、このエラーを解消するためには追加で入金が必要と伝えられ、さらにお金を取られてしまうという詐欺です。
お金が増えていたのは見かけ上だけであり、実際には1円も増えていないどころか入金したお金がすべて詐欺集団に取られてしまっていたわけです。
対処法としては無名の取引所は使わないことです。
まずそもそも先ほど1つ目でも解説しましたが、他人に勧められた方法で投資を行うことが間違っています。
もしLINEなどで勧められた場合、その取引所が本当に存在するのか、Googleなどで調べてみましょう。
ネット上に情報が存在しない場合、誰も使っていない無名の取引所なわけですからその取引所を使うべきではありません。
特に初心者の場合はトラブルになる可能性が高いことから、大手の取引所を使うべきだと個人的には考えます。
どれだけ勧められようと、どれだけ好条件であろうとわざわざ使っている人が少ない無名の取引所を使う必要はありません。
ただし、最近では存在する大手取引所を騙って勧誘を行うケースも増えています。
その場合は送られてきたURLからアプリをインストールしたり会員登録したりするのではなく、自分でネット上で調べたサイトから利用するようにしましょう。
この方法で100%取引所の詐欺を防げるというわけではありませんが、比較的効果はあると考えられます。
4. 海外の情報に気をつけろ
4つ目は海外の情報です。
特に英語の情報に注意が必要です。
まず前提としてもちろん日本語の情報だから安全、海外の情報だから危険というわけではありません。
ただし、海外の情報に詐欺が多く見られています。
どの分野でもそうですが、英語が世界共通語であることから、多くの人が使っている英語を使って詐欺師も詐欺を行います。
また、仮想通貨の情報は英語を中心に発信されるため、日本語の情報よりも英語の情報の方が母数が多くなります。
このような点から英語の情報を中心に、海外の情報に詐欺が含まれることが多いです。
また、海外の取引所やDEX(分散型取引所)、DeFi(分散型金融)と呼ばれるサービスは日本の政府機関から認可を受けていません。
そのため、適切なサービスである判断がしずらく、加えてトラブルになった際にも日本の機関が介入することも難しくなります。
特に初心者の場合は目先の利益にとらわれるのではなく、国内の取引所から始めるようにするのがおすすめです。
ちなみに国内の大手仮想通貨取引所は金融庁の認可を受けた取引所です。
金融庁から認可を受けた取引所であれば認可を受けていない海外の取引所と比べて詐欺などのリスクが非常に低くなっています。
5. 不自然な日本語に気をつけろ
5つ目は不自然な日本語です。
これはLINEなどのメッセージアプリやXなどのSNS上で多く見られる詐欺です。
機械翻訳のような不自然な日本語が用いられたメッセージや投稿はすべて詐欺だと思いましょう。
また、最近ではFacebook上で著名人を騙る詐欺広告でも話題になりましたが、著名人の画像や名前が書かれた投資の勧誘は確実に詐欺だと判断して問題ありません。
著名人が投資を勧めることはありません。
メッセージのやりとりなどをしている場合、少しでも日本語が不自然だと感じたらブロックするなどしてやりとりを止めるようにしましょう。
違和感があったらとりあえず止めておく「フェールセーフ的な意識」が大事
ここまで5つのポイントを解説してきましたが、違和感があったらとりあえず止めておく「フェールセーフ的な意識」で大きく変わると考えています。
システム開発やものづくりなどの業界では重大な事故を防ぐために「フェールセーフ」という考え方があります。
これは装置やシステムが故障した際に安全な方に動作させるという考え方です。
例えば電車の踏切の遮断器が故障した際に、遮断器がずっと上がったままでは電車との接触事故が発生してしまう可能性があります。
一方で故障した際に勝手に遮断機を下ろすようにしておけば、故障が治るまで踏切を渡ることはできなくなりますが、事故は防げます。
このように、異常があれば安全な方にしておくことを「フェールセーフ」といいます。
仮想通貨界隈でも、少しでも違和感があればとりあえず止めておく「フェールセーフ的な考え方」が重要だと筆者は考えます。
人間、どうしてもお金に目がくらんでしまうものです。
そのときにすべて鵜呑みにするのではなく、立ち止まって本当に適切な情報なのか考え、調べ、少しでも疑問に思ったら止めておくのが重要です。
この考え方を持つだけで詐欺の被害に合う確率は下がるかと思います。
まとめ
今回は「仮想通貨リテラシー強化シリーズ」Part1として詐欺やデマなどに惑わされないために心がけることを解説してきました。
冒頭でも書きましたが、仮想通貨界隈は9割が詐欺です。
基本的には信用しない、少しでも迷ったら止めておくことを意識することが重要です。
次回は「仮想通貨リテラシー強化シリーズ」Part2として「ハッキングされないために大事な5つのこと」について解説する予定です。