NFTはアートだけじゃない。チケットも御朱印もNFTに。活用事例を解説

NFTアートは高額な価格で購入され、話題になることからNFT=アートという認識が強くなっています。

しかし、NFTはアート以外にもチケットや住民票などでも活用されていることはご存知でしたか?

今ではNFTの活用の幅はアートという日常生活から少しかけ離れたものからチケットなどの身近なものにまで広がっています。


この記事ではNFTの活用事例について、具体的な例を交えつつ解説していきます。

NFTをざっくり解説

まずはNFTについてざっくり解説しておきます。

NFTはブロックチェーン上で管理されているデジタルデータを表します。

NFTを日本語に訳すと「非代替性トークン」となり、2つとして存在しない唯一無二のデジタルデータを指します。


ちなみにブロックチェーンの活用事例については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事ブロックチェーンは仮想通貨だけじゃない?活用事例を5つ具体的に紹介

NFTの活用事例

では早速NFTの活用事例について解説していきます。


NFTの活用事例は国内外に多くありますが、ここでは主に国内の事例を中心に、以下の7つを解説していきます。

  1. チケット
  2. デジタル住民票
  3. 盆栽
  4. 御朱印
  5. ゲーム
  6. 会員権
  7. 日本酒

1つずつ解説していきます。

1. チケット

1つ目は「チケット」です。


チケットをNFT化することで、容易に管理することが可能になっています。

例えばローソンのチケットサービスであるローチケでは「ローチケNFT」というサービスがあります。

ローチケNFTでは対象のアーティストのチケットを購入することで、1枚につき1つのNFTがもらえます。

ユーザーはもらったNFTを保管しておくことで、デジタル上でそのチケットを記念に残すことができるようになっています。


また、NFTのチケットは転売防止にも利用され始めています。

NFTのチケットはブロックチェーン上で管理されているため、そのチケットを誰が購入し、誰に手渡したのかという情報が残ります。

そのため、毎回同じユーザーが購入後にチケットを他人に渡していたり、1度に大量のチケットを購入していたりすれば転売している可能性が高いということになります。


このように、NFTはチケットでの活用が始まっています。

2. デジタル住民票

2つ目は「デジタル住民票」です。


NFTはエンターテイメントのイメージが強くありますが、実はデジタル住民票での活用も始まっています。

ちなみにデジタル住民票は市役所などで発行されるような正式な住民票ではなく、購入した人がその自治体のデジタル住民になれるという仕組みです。


NFTのデジタル住民票を導入している自治体としては山形県西川町などがあります。

山形県西川町ではデジタル住民票を得ることで、メタバース上で交流ができたり、地域の温泉への入浴券などがもらえたりする特典がついています。


現在は少子高齢化の影響により、地方の過疎化などの問題が急激に進んでいます。

そんな中NFTとデジタル住民票を組み合わせることで、地域活性化につながる取り組みを行う自治体も出てきています。

3. 盆栽

3つ目は「盆栽」です。


盆栽のNFT化を行っているプロジェクトとして有名なのが「BONSAI NFT CLUB」です。

このプロジェクトではNFTを購入することで、実物の盆栽が届きます。

これを育てることで、NFTを保有しつつ実物の盆栽も育っていくという仕組みになっています。


盆栽は日本で古くから行われていますが、盆栽を行う方々の高齢化により特に海外へ販路を拡大するのが難しくなっているそうです。

そこで、NFTプロジェクトとして盆栽を取り扱うことで、NFTと実物の盆栽を購入してもらい、海外の人にも興味を持ってもらえるプロジェクトとなっています。


このように、NFTは必ずしもデジタル上で完結させなければいけないものでもありません。

実物とうまく組み合わせることで、新たな形のNFTの活用が期待できます。

4. 御朱印

4つ目は「御朱印」です。

ほとんどの方がご存知かと思いますが、御朱印は神社などで参拝した人だけがもらえる記念の印章です。


御朱印はこれまで紙でもらうことが常識でした。

しかし、神社によっては御朱印の対面での対応などが困難であったり、デジタル化の流れが進んだりといた理由でNFT化が進んでいます。


NFT化することで、これまでは1パターンだった御朱印の色やデザインが複数種類用意できるメリットがあります。

また、「NFTを活用した御朱印」の珍しさから多くの参拝者が訪れることで、地域活性化にも役立っているということです。


筆者個人的にはNFTデータとして受け取ることで常にスマホの中に御朱印が入ることになるため、縁起が良さそうだと感じました。

5. ゲーム

5つ目は「ゲーム」です。


近年では「ブロックチェーンゲーム」というNFTの基盤となっているブロックチェーン技術とゲームを組み合わせたジャンルのゲームが登場しています。

ブロックチェーンゲームではプレイすることでアイテムやキャラクターを強化し、ゲーム内で売買することで、お金を稼げるような新しいゲームとなっています。


ブロックチェーンゲーム内のアイテムやキャラクターはNFT化されており、アイテムNFTやキャラクターNFTをゲーム内で利用できるようになっています。

また、アイテムなどをNFT化することでブロックチェーン上で売買ができるようになっています。


このようにNFTとゲームをブロックチェーン上で組み合わせることで新たなゲーム体験が生まれています。

6. 会員権

6つ目は「会員権」です。


会員権の中でも宿泊できるサービスがNFT化されて提供されています。

宿泊サービスをNFT化しているのが賃貸情報などを展開するLIFULLが提供する「LIFULL STAY」です。

LIFULL STAYではNFTを購入することで、毎年1泊できるサービスとなっています。

NFTを保有することで、通常価格よりもお得に宿泊できたり、優先的に予約できるなど、NFT保有者限定の特典も多くついています。


また宿泊できるNFTは空き家問題の解消にも一役買っているそうです。

特に日本では空き家が問題となっていますが、別荘などの空き家をリフォームし、LIFULL STAYでその別荘の会員権を発行する活動を行っています。

これにより、別荘が再利用されたり、その地域の活性化に役立っているそうです。

7. 日本酒

7つ目は「日本酒」です。


日本酒は一般的なお酒と比べても資産価値が高いとされており、熟成された日本酒は特にコレクターに人気となっています。

しかし日本酒は熟成・管理が難しいようです。

そこで日本酒の所有権をNFT化し、保有しておくことで、そのお酒の権利は保有しつつ、管理はプロが行ってくれるという仕組みになっています。

そして一定期間熟成させた日本酒を取り出すことができるようになっています。


これにより日本酒にあまり詳しくない人や、海外の人でもかんたんに日本酒を楽しめるようになっています。

NFTの活用事例に関する1問1答

NFTはどのような場面で活用されていますか?

アートやチケット、ゲームなどこれまでデジタルだったものがNFT化する以外にも御朱印や盆栽、日本酒などアナログだったものまでNFT化されています。

まとめ

今回はNFTの活用事例について具体例も交えながら7つ紹介しました。

NFTは今回紹介した事例以外にも様々な場面で活用されており、特に海外ではNFTの普及が加速しています。

NFT=デジタルと考えがちですが、ここで紹介したように盆栽など実物と組み合わせるものも登場しています。

ぜひあなたもNFTの活用を考えてみてはいかがでしょうか。

参考リンク

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